めち忘備録

毎日もにもに

読書/『終わりと始まりのマイルス(1)』鬼頭莫宏

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『終わりと始まりのマイルス(1)』(Fx COMICS) 鬼頭莫宏/太田出版

本棚を片付けていたら見つけたので久し振りに再読。

実はまだ読んでいない『ぼくらの』の作者、鬼頭莫宏さんの、エロティクス・エフでの連載作品。2009年に1巻が発売されてから大好きでずっと2巻の発売を待っているんですよ…?

 

モノが空へと還ってゆく不思議な世界で「炁祷師」と呼ばれる特殊な仕事を生業にしながら、モノから権化した炁神・ギカクと共に暮らしている少女・マイルスと、空へ還るモノを見送る人々のお話。

登場人物たちの掛け合いによるコミカルさと、ギカクの下ネタ(の由来がひどいけど納得)を挟みつつ、他作品のようないわゆる鬱展開はありませんが、モノとの別れに対する静かな哀惜のような雰囲気が漂っています。

 

別れの時期が来たことを伝えるようにモノが少しずつ浮遊するのは、持ち主が大切に扱った証拠。急に消えてしまうのではなく、持ち主に見送られながら空へと消えてゆく姿は素敵だなと思うと同時に無性にさびしくなります。そんな読後感。

今後の展開がとても楽しみなので、続刊をいつまでもお待ち申し上げております……。